日本乳癌学会が発表している「乳癌診療ガイドライン」の
疫学、予防の項目にこんな内容が書かれています。
「夜間勤務は乳癌発症リスクを増加させるか」というもの。
乳癌ガイドラインは以下の「エビデンスグレード」を使い
各トピックの確実性を示しています。
グレード表示 | 推奨グレード | エビデンスグレード | |
1 | ⇒ | A | Convincinge(確実) |
2 | ⇒ | B | Probable(ほぼ確実) |
3 | ⇒ | C1 | Limited-suggestive(可能性あり) |
4 | ⇒ | C2 | Limited-no conclusion(証拠不十分) |
5 | ⇒ | D | Substantial effect on risk unlikely(大きな関連なし) |
このなかでもこの「夜間勤務は乳がん発症リスクを増加させるか」
というトピックは「可能性あり」に分類されています。
確かに乳がんの患者さんの増加とともに、日本で働く女性が増えてきている
ことも事実だと思うし、関連性があるように思って調べてみました。
そもそもなんで乳がんと夜間勤務の関連が言われているかというと
これは「メラトニン」が関連していると言われているそうです。
メラトニンは脳から生み出されるホルモンの一種でその分泌は光によって
調節されているそうです。
メラトニンは乳がんを予防するホルモンとして注目され、メラトニンの量が
少ない人は乳がんの発症率が高いことを示す研究結果も報告されているそうです。
目から入る光が多ければ、メラトニンの量は減り、暗くなるとメラトニンの
量が増え眠りを誘うのだとか。
つまり、夜間勤務中に強い光をうけるとメラトニンの分泌が低下し、
乳がんのリスクを高める可能性があると言われています。
ただ、最初に説明させていただいたエビデンスグレードが「可能性あり」と
なっており、現在のところ、夜間勤務が乳癌発症リスクを増加させる傾向は
あるがまだ研究の結果にはばらつきがあり、さらなる検討が必要というふうに
位置づけられています。
私の妻も、結婚前、看護師さんのような夜間勤務ではありませんが、
毎日終電で帰るような仕事をしていました。
これが直接発症に関係があるのかないのかわかりませんが、
もしこうしたリスクがあるのなら、病院で働く女性の看護師さんなどを
に対して早く何らかの手を打った方が良いなと感じました。